近年SNSなどでスポーツカーや旧車の盗難情報を見かけることも多くなってきました。
海外では元々日本車の人気が高く、海外への不正な輸出などを目的とした盗難が多い傾向にありましたが、80年代から90年代にかけての国産スポーツカーは、近年希少性や人気の高まりを受けて盗難被害が目立つようになってきています。
そこで今回は、
- SNSでスポーツカーの盗難情報をよく見かけて恐い...
- 古いスポーツカーに乗っているので狙われないか心配
- 今すぐできる盗難対策が知りたい
という方に向け、国産旧型スポーツカーの盗難対策や狙われやすい車種などについて解説していきたいと思います。
今すぐできる対策を講じるだけでも、何もしていない車に比べ、盗難被害にあう確率が何倍も変わってきますから、ぜひ最後までチェックして対策を講じていきましょう。
急増している国産旧型スポーツカーの盗難被害
冒頭でも触れた通り、国産の旧型スポーツカーの盗難被害が急増しています。
背景としては以下の理由が挙げられます。
- 国産旧型スポーツカーの海外人気、価格の上昇
- 90年代以前の車両は電子デバイスやセキュリティが複雑でなく、狙いやすい
つまり、犯行側にとっては「価値が高いにも関わらずセキュリティはガバガバで盗みやすい」という、好条件となってしまっているわけです。
これは危険。
90年代までの日本のスポーツカーはラインナップが豊富で、どれも魅力的なクルマばかりです。
それでいて近年は現存する車両も少なくなってきたことから希少性が高まり、更には映画などの影響から海外での人気も上昇する一方。
その価値は上がり続けています。
にもかかわらず、当時の車両は車両のドアロックやエンジンの始動について、現行車種のように複雑な電子制御でコントロールしている車両は少なく、機械的な制御のみの場合が多いです。
犯行側にとっては格好の標的なのです。
ここからは特に標的になりやすい国産旧型スポーツカーを紹介します。
盗難の標的になりやすい国産旧型スポーツカー
日産 スカイライン GT-R
日産が世界に誇るスカイラインGT-R。
その高い走行性能は今でも絶大な人気を誇ります。
80年代後半から2000年代前半に販売された直列6気筒ターボのRB26エンジン搭載モデルのR32、R33、R34 GT-Rは特に人気が高く、盗難が多いモデルとなっています。
日産 シルビア
スカイラインGT-Rと並んで、80年代から90年代ごろの日産を代表するスポーツモデル、シルビアも要注意。
ドリフトやチューニングカーのベース車両としても大変人気で、多くの盗難事例が報告されています。
トヨタ スープラ
90年代を代表するGTカーとして世界的に人気の高いJZA80スープラも盗難が多い車種です。
映画「ワイルドスピード」などにも登場し、生産終了後も人気が高まっているほか、スープラに搭載されている2JZエンジンもチューニングベースのエンジンとして人気が高く、海外需要の高いモデルです。
ホンダ シビック/インテグラ タイプR
タイプR設定がある90年代から2000年代にかけてのシビック/インテグラも希少性が高く、盗難事例が多く報告されています。
ホンダの革新的な技術であるVTECを搭載し、高い走行性能をとチューニング性を誇る上記の2車種は特に要注意です。
マツダ RX-7
希少性の高いロータリーターボ、カスタム性の高さやその魅力的なフォルムで人気のFD型RX-7も近年は価格が高騰しており狙われやすい車種の一つです。
盗難防止には今すぐできる対策を
というわけで、ここまでは盗難事例が目立っている国産旧型スポーツカーをいくつか紹介してきましたが、これ以外の車種に乗っている方も要注意。
防犯対策が「キーロックだけ」という方も多いですが、先程も紹介したように80年代から90年代頃の車種はロック解除やエンジン始動に複雑な電子制御が介入していない車種が多く、専門知識を持つ者であればキーロックだけだと簡単に解錠・エンジン始動できてしまうそう。
ロックがされていないも同然だというのです。
では、国産旧型スポーツカーのオーナーはどうやって盗難を防げばいいのか?
まずは今すぐにできる防犯対策を導入していくことから始めましょう。
これから紹介する対策を講じるだけでも、何も対策していないクルマに比べれば盗難リスクは格段に下げることができるでしょう。
駐車方法を工夫
1つ目は駐車方法の工夫です。
例えば
- 青空駐車から屋内、機械式駐車場に切り替える
- ボディカバーを掛け愛車を目立たないようにする
などが挙げられると思います。
不特定多数の目に付く青空駐車は、盗難業者が品定めをしやすい状況を作ってしまっているといっても過言ではありません。
比較的余裕のある方は、屋内や機械式の駐車場に変更するなど、より愛車を人の目につきづらい場所で保管するのが良いといえます。
とはいえ、立地や金銭的な事情など、様々な理由から保管場所を変更するのが難しいという方も多いでしょう。
そんな場合は、愛車の保管時にボディカバーをかけるだけでも、遠方から車種の特定が難しくなるため有効です。
ボディカバーはクルマのボディ保護が主な目的の一つであるため、上面のみを覆うハーフタイプもありますが、盗難防止が目的であれば車種を特定できないよう、車両全体を覆うフルカバータイプを選択しましょう。
盗難防止グッズの導入
スマートキーのない80年代から90年代頃の国産スポーツカーの場合、スマートキーがない場合が多く、物理的にロックやガラスを破壊して盗難に及ぶ手口が多くなっています。
そうした物理的な盗難手口に対して有効なのが、タイヤロックやハンドルロックなどの盗難防止グッズです。
犯行側は、犯行が誰かの目につかないよう、短時間で犯行を済ませたいと考えており、ロックの解錠、エンジン始動までに時間がかかる車両は避ける傾向にあります。
市販のタイヤロックやハンドルロックは専門知識を持つものからすれば解錠が可能とされており、防犯対策にならないと言う方もいると思いますが、犯行側も時間をかけることを嫌うのこれらで対策を講じるだけでも有効な盗難防止対策になりえます。
少なくとも、キーロックだけのクルマに比べれば盗難リスクはグッと下がるでしょう。
現状、ほとんど防犯対策を行っていない方はまず、これらの基本的な盗難防止グッズを導入してみるのが良いでしょう。
GPS追跡グッズの導入
こちらは、もし盗難被害にあってしまった時に愛車の発見を迅速に行うための対策になります。
現在では、GPSの位置情報から車両位置を追跡することが容易で、車内に設置したタグと専用のスマホアプリなどを連動させておけば、もし自分の知らぬ間に車両が移動されていても即通知、追跡することが可能です。
近年はクルマ専用の追跡システムのほか、カバンやスマホの紛失防止目的の手軽なGPSタグなども普及してきているので、比較的安価に導入することができる対策の一つです。
専門店で追加セキュリティーの導入
さらに入念な盗難対策を施したい場合は、専門店などで追加のカーセキュリティシステムを取り付けるという方法があります。
旧型スポーツカーの場合、イモビライザーを利用して不正なエンジン始動などを検知するようなセキュリティーシステムの導入が可能で、費用も車種などによりますが数万円代から導入が可能です。
クルマ離れる際は必ずエンジンオフ&施錠
「えっ?そんなこと?」と思う方もいるかも知れませんが、コンビニなどでエンジンかけっぱなし、施錠しないという方を結構な頻度で見かけます。(郊外や地方で多い印象です)
今までそれでなんともなかったため、「いちいちエンジンを切って施錠するのがめんどくさい」という方も多いと思いますが、冒頭で話したとおり、近年は国産車の盗難が急増しています。
また、そういった行動を盗難業者は見ており、「防犯意識の低いオーナー」だと判断されれば、その時は大丈夫でも保管場所を特定され、その後標的になるパターンもありえます。
「いままで大丈夫だった」は通用しません。
今一度防犯意識を高め、愛車の盗難を防ぎましょう。
今すぐできる盗難対策で愛車を守ろう
今回は、盗難の多い国産旧型スポーツカーと今すぐできる盗難対策を紹介しました。
高度化する車両盗難を完全に防ぐことは難しいですが、まずはあなたの愛車が標的にならないことが大切です。
そのためには今回紹介した盗難対策を参考に、今からできる盗難対策を確実におこなって見て下さい。